この記事では、株投資失敗の物語をご紹介します。
株を持ち越すことのリスク
危機管理能力
株取引というものは本当に恐ろしいです。
何も確認しないで、株を持ち越すということは、目隠しをして交差点を渡っているようなもの。どのようなリスクが潜んでいるか分かりません。
「勝てば官軍負ければ賊軍」という言葉があります。
株の世界では、この言葉が正しいとは言えません。
たった一度勝っただけでは正義(勝利)を継続できないからです。
なぜなら、その時たまたま勝てたとしても、勝ち続けることが困難であるからです。
株式相場での「ラッキー」は、間違った勝ち方の結果です。
本来勝つべきでないトレードで勝つということは、間違った結果と自信を得ることになります。
その瞬間から、地獄の扉へと誘い込まれるでしょう。
地獄の扉
当時の私は、そんなことはつゆ知らず・・・。
ただ、ランキング等で更に上がりそうな銘柄を、感覚だけでトレードしていました。
株取引を始めて1年半前後、2007年8月末頃のことです。
小利大損を繰り返していて、ほぼ負けトレード全開。
その年だけで100万円程度の損失を出していました。
取り返そうと必死だったのを覚えています。
当日はランキングで大商いとなっていた「ニイウスコー」という会社の値動きに魅了されました。
上昇の要因を調べもせず、チャート分析もせず、
ただ、上昇への値動きがあるという一点のみで・・・。
若干の含み損を抱え、何の疑いもなく、当日の相場が引けた記憶があります。
無知の無知
夕方のIRの事実で血の気が引きました。
なんとその日は決算発表だったのです。
最大の過ちは、「決算発表がいつなのか確認もせずに株を持ち越した事」
賽は投げられた。凶と出るか吉と出るか・・・。
結果として、世にいう「決算ギャンブル」です。
株価と言うものは、織り込み済み(株価の好材料・悪材料の影響をすでに反映した状態)で値を動かします。
つまり、ある程度の上昇を織り込んでいた場合、結果発表次第では株価が急落します。後で知る事ですが、織り込んでいる以上、よほどの好材料サプライズがないと決算発表後の上昇は難しいのです。
相場の格言「噂で買って事実で売れ」です。
決算銘柄を持ち越すということは、一般に数年~数十年程度の期間で投資を行う長期投資の場合を除き、短期的なリスクを伴うという事です。
たった三日の悲劇
一縷の望みを持ちたいところですが、現実はシビアです。
決算発表は、散々な内容でした。
「決算短信の発表を一週間延期」
それだけでも不安を煽る最悪のIRですが、加えて「債務超過の見込み」や、「約200億円の第三者割当増資」の悪材料を次々と発表。
想定通り、株価と言えば・・・値がつきません。
三日連続のストップ安です。売る事も出来ず最悪の状況でした。
そこで疑問です。何故こんな最悪のIRが出る日に株価は上がり、大商いとなったのでしょう。私の知り得る情報として、今なら想像できます。
悪材料情報を先掴みしている機関投資家等が、持ち株を売却する為又は、大量の空売りを仕込む為に、大商いを演出して個人投資家を誘導した・・・?
損をするのは結局のところ「個人投資家」です。
真実は分かりませんが、機関投資家等大口ならできる芸当です。
思考なきトレードの末路
たった、一日持ち越しただけなのに・・・。
当初は株を持ち越すこと自体のリスクを何も考えていませんでした。
今なら分かります。
なんて愚かなことをしていたのでしょう・・・?
三日後の寄り付いた時の価格は、買値のほぼ半値。
金額で50万程度で購入した株が、三日後には半分の25万程度になっていました。
事故にあったようなものだ!
事実を受け入れ、メンタルを整えるのにも時間がかかりました。
でも違うのです。事故は防げたのです。
「株式投資は甘くない。この後悔と失敗を次に繋げよう・・・」
自分に言い聞かせました。
まとめ
株を購入する際に絶対に確認すべき事「決算発表日」
その行為を疎かにした結果、すべてを失う可能性がある事を知りました。
株式相場に高い授業料を払いました。
そして、後悔と共に更なる茨の道を進んでいくのでした。
※余談ですが、前述の「ニイウスコー」は8か月後の2008年4月に倒産しました。