この記事では、株投資失敗の物語をご紹介します。
株投資の世界へ(大損の扉)
希望の光
さかのぼること・・・2006年4月頃。
ちょうど株取引をスタートした頃のことでした。
初めての株投資、ディトレード・・・「これから金持ちになるんだ!」夢を膨らませていました。
当時の日経平均株価は、16000円台前後。
海外投資家による旺盛な投資姿勢を反映し株価は上昇傾向にあり、
メディアではバブル再来かともてはやされ「ディトレードで億稼ぐ」なんて本が世に出回り始めていた。
彼女に借りた100万円を元手に証券会社に入金し、準備完了。
初めて見る証券会社の株取引のツール。
ピカピカ光る取引画面に希望の光を見出していました。
「さてさて、どの銘柄で稼ぐかな・・・・」
知識も実力も何もないのに、何故か根拠のない自信だけがありました。
IPO投資
IPO投資。
証券会社の株取引のツールで目を見張るほどの値動き。
ピカピカ具合が半端でない。
一瞬で数万円が動いている。
「この波に乗りたい!」
知識のない私は調べました。
「IPO投資とは、新たに株式市場に上場をする株(新規公開株)の売買ことを指します」
当然のことながら、新規公開株が上場する日は大商い。
パチンコで言う新台導入日。
店の前で行列ができている風景を見たことがあります。
我先に、我先に・・・。
その位、注目されているってことです。
「ターゲットはこれだ!」
出陣
当日注目したのは、本日上場の「日本ゲームカード株式会社」
パチンコ店用のプリペイドカードの発行及び販売を行っている会社でした。
今でもはっきり覚えています・・・。
その日に上場するも、人気が高すぎて価格が寄り付かず、引け間際まで特別買い気配の状況でした。
このまま特別買い気配のまま当日を終えるかと思いきや、14時30分頃だったと思います。寄り付いたのです。そこからは怒涛の上げ・・・。
前述したような光景です。
上へ上へと上がっていくのを眺めていました。
このまま、ストップ高に行くのかな?
私も欲しい・・・。とっても欲しい・・・。
欲しくて欲しくてたまらない。
ついに手が出ました。出陣!
購入をクリック。数分で数万円の利益。
「なぁんだ~株って簡単だな」
恐怖
数万円の利益が出た直後でした。
大引け15分前位だったと思います。急に買い勢力が弱まり、下げだしたのです。
「一時的な下げだ。すぐ戻るさ」心の声が自分を支えます。
しかし無情にも、下げ止まりません。
下げ止まらないというより値段がつかないのです。
そうです。それが恐怖の特別売り気配。
ザラ場中で特別売り気配になるなら引けまでに寄り付き、損を確定できる可能性があります。
しかし、寄り付かないということは・・・
明日も下げから始まることは容易に想像がつきます。
その後値段がつかないまま、当日を終えました。
確か、5万円くらいの含み損があった状況だったと思います。
不思議なことに、数分前まで「買いたい衝動」があったにも関わらず、全く逆の意識「売りたい衝動」に駆られていた。
「大丈夫!大丈夫!」平静を保つのがやっとでした。
あきらめの境地
翌日の朝の気配を見て、愕然としました。
何と、前日比10万円安のストップ安気配だったのです。
売り物が多すぎて寄り付く気配すらありません。
胃がキリキリしだしたのを覚えています。
「多少損が増えても構わない。寄り付いておくれ お願いです。お願いです・・・」
結局、寄り付かず・・・。
「ストップ安マイナス10万円での張り付きの刑」
私、何か悪いことしましたっけ(涙)
最悪なことにその日は金曜日。
土曜日・日曜日と証券市場はお休み。
残酷なのは、2日間でマイナス15万円程度の含み損を抱えながら、
土曜日・日曜日と過ごさなければならない事でした。
「もうどうにでもなれ~!」あきらめの境地でした。
現実と解放
憂鬱な2日間を過ごし、たとえマイナスでも流石に売れると思い込んでいた
翌週の月曜日の朝。再び、身も凍る瞬間が・・・。
更に前日比10万円安のストップ安気配。
「そんなことありえない・・・」しかしそれが現実でした。
新規上場して、2日間ストップ安なんて、詐欺にあったようなものです。そして、結果その日も寄り付かず、ストップ安気配で終了。
含み損は3日間でマイナス25万円程度でした。
そして、ついにその日がやってきます。
翌日火曜日の朝の気配を見て、ホッとしました。
「やっと寄り付きそう・・・」
既に大損を抱え、更に下げて寄り付く事がほぼ確実な状況でも、何故か安堵な気持ちになっていました。「苦しい状況から解放される」
そして寄り付きました。その時点、マイナス30万円程度だったと思います。
悪魔が囁きます・・・反発もあり得る?
心の弱さ
人の心ってなんて弱いのでしょう?
いいや、私の心が弱いのです!
「マイナス30万円の含み損を抱え、寄り付いたら絶対に損切する」と決めていたのにも関わらず・・・。
持ち直すのではないか?損を減らせるのではないか?
逆転反発がありえるかも・・・?
寄り付きそうになった時点、考えが変わっているではないですか?
既に、冷静なようで冷静ではありません。
こんな状況の中、反転期待するなんて正気の沙汰でないですよね?
案の定、寄り付いてからは、ジリジリと下がっていきます。
沈没船に乗っている感覚です。
そうして、結局上げる事もなく、損切出来ず数日持ち越し
決断しました。
損切確定・・・マイナス34万円
まとめ
前途多難な船出となりました。
株で結果を出すことは、私の場合「手段」であり目的ではありません。
目的は、あらゆる選択肢を選べる自由。
かっこのいいことを並べても、勝ち残らなければ意味がありません。
かくして私の株人生は、出発したのでした。