この記事では、あまり知られていないがためになる「株の格言」5選を紹介いたします。
ニッチな「株の格言」5選
陰きわまれば陽転す
相場は「陰の極(底)」と「陽の極(天井)」の間を行ったり来たり繰り返しています。
相場が陰の極を迎えたということは、これ以上もう売り物が出てこないほど、すっかり売られて、売りのエネルギーが尽き、買いのエネルギーがたまっている状態です。
何か良い材料が出たりすれば上昇に向かうという意味の格言です。
売るものが出尽くした「陰の極(天井)」は、後から振り返れば絶好の買い場だったと言えることが多々あります。
「夜明け前が一番暗い」、「閑散に売りなし」も同じような意味です。
動きがない分、退屈ではあります。
半面、売り物が出てこないということは、急落の可能性も低く、安心して保有できます。
売りは早かれ 買いは遅かれ
株式投資の世界では「買い」は易しいが、「売り」は難しいと言われます。
その理由は「天井三日、底百日」という格言の如く、買い場はいくらでもあるが、売り場は短いと言えます。
上げ相場はじっくりと上げていくため焦って買いに走る必要はないけれども、下落する時は急落することが多いため、売りは早めに行う方がよいという事です。
「買い」はじっくり構え、「売り」は一瞬のチャンスを捉え、迅速に行動すべしということを説いた格言です。
とにかく利が乗っていれば、少額の利益でも現実のものとして手中に収め、それを投資資金に繰り入れ、次の機会を狙う心掛けが株式投資の世界では大切なのです。
最初にある程度のシナリオを描いていないと、常に迷いが生じます。
株式投資の世界では、タイミングがとても重要なのです。
需給はすべての材料に優先する
明治の大相場師田附政次郎の言葉。
言うまでもなく株価は株式市場に参加している買いたい人と売りたい人の注文の出会いによって形成されます。
すなわち、株価の変動は投資家たちの株式の需給関係によって決まるわけです。
そのためいくら業績がいい銘柄であっても、驚くような画期的な新製品の発表があっても、買おうという人が現われない限り、株価が上がることはありません。
相場見通しなどを語る時、多くの投資家は、「材料を中心に考える」ものです。
材料を研究し分析することは重要なことですが、「自分本位」となってしまうことが問題です。それと同時に、マーケットに参加している多くの投資家が、売りと考えているか、あるいは買いと考えているかを想像することが大切です。
この格言はこうした株式市場のクールな特性を言い表しています。
見切り千両
見切り千両とは、江戸中期に米沢藩を立て直した名君「上杉鷹山公」が残した「見切り千両、無欲万両」と続く言葉が語源になっている。
購入した株がジリジリ値下がりしていく時の投資家は居ても立っても居られない気持ちに襲われます。多くの人は株価が戻ることを期待して持ち続けようとしますが、株価が戻る保証はないです。戻るにしても長い時間がかかるかも知れません。
その間ずっと苦しい思いをします。
しかし、タイミングを見計らって思い切って売って、巻き返しを狙うのも一策ということを教える格言です。
損失が少ないうちに見切りをつけることは千両の価値があるが、損失を大きくさせないようにある程度の損を覚悟して売買することを万両の価値があるという格言です。
損失を抱えているポジションをそのまま持っていると、さらに株価がマイナス方向に動いた場合に損失が拡大してしまうため、このような格言が言われるようになったのです。
損失を抱えているポジションをすばやく諦めることは、大きな価値があるのです。
しかし、いざ実行となるとこの格言程難しいものはないようです。
売るべし 買うべし 休むべし
株式の「売り」と「買い」で株式投資は成り立ちますが、時には売買を離れて市場の環境や相場の動向を客観的に眺める、いわゆる「休む」ことも大切な要素と説くのがこの格言です。
ひとつの売買が終わったら一歩下がって世間の流れをゆっくり眺め、その間に心身のコンディションや投資資金を整えて次の機会に備えましょう。
相場は良いときもあれば、悪いときもあります。
良いときは、株価が上昇していくので、積極的に売買をして利益を取りに行くとよいでしょう。しかし、悪いときに売買しても、確率が低いので損をしやすくなります。
また、株を売買するのに夢中になると、相場全体の動きが見えなくなりがちです。
特に、損をした直後は、感情が動いているので「取り返してやろう」と思ったりして、冷静に相場を見ることができません。
時には休んで、ゆとりをもって、冷静に相場全体を見ることも大切です。
ウォール街の「疑わしいときは何もするな」というのも同様の意味の格言です。
まとめ
以上、ニッチな「株の格言」5選をまとめてみました。
先人たちの偉大な言葉に感銘を受けているところです。フライングしそうになった時、立ち止まって格言を思い返すのもありですね。